製造工程
5.叩解(こうかい)
(叩く)
(楮叩き機)
(叩解機)
(ナギナタビーター)
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叩解(こうかい)とは、煮る・晒す等の後も皮の繊維束集合体といわれるものは結束しているのでこれを叩きほぐすことで、繊維がほぐれて細かく柔軟になります。この叩解は紙造りの工程の中で煮熟と共に重要な作業になります。
よく叩解されてフィブリル化の進んだ繊維は接着がよく、引っ張りや破れに強い紙ができます。叩解が進むにしたがって折り曲げに対する丈夫さが増しますが、ある点を過ぎるとかえってもろくなったり、逆に叩解が充分でないと粗く腰の弱い強度の低い紙になってしまいます。叩解にあたっては、雁皮・三椏・楮・マニラ麻・木材パルプそれぞれの持つ特性を知った上で、それに最も適した方法をとることが大切です。
皮を「叩き盤」の上に置いて棒で気長に打ち叩く「紙叩き」は現在僅か一部に残ってはいますが、殆どはビーター叩解になっています。角刃のビーターは繊維を切る働きもあるので、三椏のように粘状のものには適していますが、激しい回流や攪拌(かくはん)によって繊維の「ふたりずれ」が出来易いため楮には不適だったりします。楮は楮叩き機による叩解やナギナタ刃ビーターで解きほぐすが適しています。