製造工程
3.灰汁だし・晒し(あくだし・さらし)
(灰汁だし)
(晒し)
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煮熟は皮の中の繊維質以外のリグニンやペクチンを鹸化(けんか)して水に溶けるようにする工程なので、煮熟を終えた皮は、水に入れて溶け出すものを洗い流す工程が必要になります。
この灰汁(あく)だしによって煮熟工程で溶け出した各種の不純物も洗い流され、濃い褐色の皮は次第に白くなる為塵取り(ちりより)がしやすくなります。
[晒し](さらし)
煮熟と灰汁出しを終えた皮は淡い褐色をしています。この色を生成り(きなり)の色と言い、このまま用いるのが生漉き(きずき)です。光沢と共にこの独特の深い色は、皮に含まれるヘミセルロースの働きであり褐色の全てを不純物扱いするのは誤りであります。灰汁出しと水洗いが充分行われていれば、漉いた紙に変質も無く寿命も長くなります。これを未晒し・水ざらしともいっています。