製造工程
1.水浸け・洗い
(水浸け)
(洗い)
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原料皮を煮釜1回分計量して清水に約10時間浸します。これは前夜に浸けて翌朝洗う程度がちょうど良い時間です。冬期は1〜2日浸けてもさしつかえないのですが、夏期には長時間にわたり浸けてしまうと発酵作用をおこして繊維を損傷してしまうので注意が必要です。
この工程は原料を柔らかくして煮やすくするためと、砂・ゴミ等の夾雑物を洗い落とすためであり、この工程によって皮に含まれる澱粉質・脂肪・タンニン等の不純物を溶かすことにもなります。皮を水に浸して数時間で水が暗褐色になるのは、これらの物質が水に溶け出す為であります。
粗雑な水洗いは後の塵選り(ちりより)の負担を重くするだけではなく、紙に小砂が残る原因にもなるので、良い紙を作る為にはおろそかにできない工程です。